蜘蛛やゲジは昔からの住人
古い日本家屋には、いろんな生き物がともに暮らしています。
我が家の屋根裏の住人でもっとも有名なのは、ネズミたちです。
よくドタドタと運動会をしたり、チウチウと鳴いていたりしたのを聞いたりしていました。
よく「ねずみ算」といって、その数が無限に増えていく例えに使われたりしますが、もしそのとおりなら家じゅうネズミであふれてしまいますが、そんなことにはなりません。
都会の路地裏のように食べ物が豊富にあれば、どんどん増えますが、屋根裏には、食べるものはほとんどないので、増えないのです。
嫌われ者の代表は、ゴキブリです。家具のスキマなどに入り込んで繁殖するので、そういうスキマに駆除剤を仕掛ければ、出なくなりますが、ふいにでかいのが現れて驚かせます。
種類が多いことでは蜘蛛たちがいちばんでしょう。
軒下には女郎蜘蛛が巣を張っていますが、家の中には入ってきません。不思議とちゃんと内と外を分けているようです。
家蜘蛛には、巣を張るタイプと、徘徊するタイプと、両方の特性を持ったものとがあります。
彼らは本来自然の中で暮らしていた蜘蛛なので、手の届くところにやってきた蜘蛛は外に連れ出します。
天井の隅に巣を張っている蜘蛛は、放っておきます。
徘徊するタイプの蜘蛛や、ゲジなどは、びっくりするほど大きな姿で現れるので、さすがにぼくも「ぎょっ」とします。
それもいきなり、その大きさに生まれたわけでは有りません。
ずっと、そばにいたんだけど、たまたま人間に見つかっちゃうわけです。
ふだんは上手に隠れているんです。彼らのほうが「ぎょっ」としているのかも知れません。
住民の中には、自衛の武器として、毒を持つものもいます。
その代表が、ムカデ、ヤスデなどの足の多い虫たちです。
彼らも、ふだんは見かけません。春先や秋口などの季節の変わり目に、移動します。
移動するルートに、たまたま人間の住居が建っているので、仕方なく、入ってきます。
彼らはもっと小さな生き物や、虫の死骸などを食べて、成長しながら移動していきます。
ついつい殺してしまいますが、本来は移動していなくなるのを待っていればいいわけです。
毒にめげずに彼らを好んで食べる鳥や小動物がいます。
彼らもいきなりあの大きさになったわけではなく、捕食されずに生き残ったエリートなのです。
ふと。
こういうお話って、絵本にならないかな・・・。
あ。
でも、そのためには、みんなが嫌がる虫たちの絵を描かないといけないですね(笑)