#5.どんなときでもステップアップ

 人間は、ついつい目の前にある状況に翻弄(ほんろう)されがちになります。ぼく自身も、目の前のことに対する「対処」ばかりしてきた過去があります。

 そういうときって、頭の中は、「こうなったから、こうする。」しかないんですね。「無」の状態には決してならなくて、その「こうする。」が分からなかったり、迷いがあったりすると、ぐるぐるが始まります。見かけ上は止まっているんですが、頭の中では「はてな」マークと「対処」が高速で行ったり来たりしていて、一方では「不安」を増幅させているんですね。

 このぐるぐるの正体は、実は、脳の働きなんですね。こういう状況って、脳にとっては好都合なわけです。いっぱい働いて、栄養が回ってくるわけですから。それも無意識に自分でやっているってことが、本人にはわからないですね。

 同時に、そうなる状況をどんどん引き寄せてきます。

 パソコンでいえば、CPUがずっとビジーになっている状態です。何もしていないのに、パソコンの動きが悪いというのは、パソコンの中で、どこかで処理がエラーになって、対処方法を探しているわけです。

迷走には、瞑想が効果的

 パソコンの話は置いておいて、脳の話に戻りますが、そのぐるぐる「迷走」を止めるには「瞑想」が効果的です。ダジャレのように聞こえますが(ダジャレなんですが)、同じ発音をする言葉というのは、つながりがあるということをどこかで聞いたことがあります。

 瞑想については、前から興味があって、本を読んだり、座禅を組んだり、印を結んだり、やろうとするんですが、なかなか雑念がすぐに出てきて、長続きしませんでした。ですから、自分でぐるぐるやっているということに、それこそ何十年も、長い間気づきませんでした。

アクセスバーズと出会う

 そのことに気づいたのは、アクセスバーズというものを初めて受けたときでした。受けたときは、10分くらいであっという間に終わったような感じだったのですが、施術をしてくれた人は1時間やりましたって言うんです。それで、時計を見ると本当でした。

 その場では、それくらいの体感しかなかったので、「こんなものか。」と、効果はなかったのかなと思ったのですが、ひと晩したあたりから、頭の中が静かになっていることに気づいたんですね。「対処」ではなく、適宜「こうしよう。」という思いが浮かぶんですね。それ以上のことは考えないから、ぐるぐるがなくて、静かなわけです。脳もぐるぐるはないけれど、整理されてスッキリしているので、落ち着いている感じでした。

 ああ、これは、この状態を保っていたいと切実に思いました。それで、それから半年くらい経ってから、自分でもやってみることにしました。2022年11月に1日講習を受けて、アクセスバーズ・プラクティショナーという資格を得て、今年2月にファシリテーターになりました。

 プラクティショナーというのは、日本語に直すと「実践者」なんだそうです。「開業医」のこともそう呼ぶそうですが、医者ではないので、これには当てはまりません。そして、ファシリテーターというのは、「グループや組織がより協力し、共通の目的を理解し、目的達成のための計画立案を支援する人」というような意味があります。(会議などの)進行役、調整役、まとめ役というような意味もありますが、プラクティショナーよりもより高度な指導的な立場と言えると思います。

パソコン教室、音楽教室でアクセスバーズ

 パソコンの先生が、オカリナの先生が、音楽やっとんなる人が、アクセスバーズっていうもんをやっとんさる。不思議に思った人もずいぶんおられると思いますが、意味があるんですね。

 アクセスバーズが、今しんどくなっている人、頭の中がぐるぐるなっている人に、知ってもらいたいし、役立てたいと思っています。

 頭がスッキリしたところで、考えることは「対処」ではなく、今できる「ステップ」だということがわかります。パソコンが「対処」のための「処理」を探して、ぐるぐるするのは、人間の脳の仕組みを取り入れたからです。

 眼の前にあることをスッキリ整理して、ステップだけを考えて行動していけば、対処を繰り返すよりも、ずっと早く、ステップアップします。それは、パソコンや音楽のレッスンだけに限りません。スッキリ楽しく、生きていたいですよね。今ある悩みのほとんどは、幻想です。その証拠に、これまでたくさん悩んできたと思います。もし大きな根本的な悩みが残っていたとしても、それ以外の悩みは、どれもがいつの間にか消えていたでしょう。

 どんどん良くなります。ステップをひとつ。そこから始まります。

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