内輪の陰口がネットに流れる
これまでだったら、井戸端会議で話されていたような噂話、陰口、悪口の類(たぐい)が、今ではネットニュースや、SNSで拡散されているような感じがします。
例えば、先日自民党総裁選がありました。実感として、それぞれの人物を語れる人は、本来そう多くはないはずです。しかし、過去の事例や発言、記事などを元に、ありとあらゆる人々があれこれを言い、それを真に受けて、まことしやかにSNSに書き込んだりもします。
ある皇室の方のご結婚問題にしても、どんどん批判がエキサイトしているように見えます。ぼくには、そこまで言う必要がないので、今後の幸福を見守りたいと思っています。

インターネットが一般に広まり始めた頃、ネット社会は匿名性が高かったように思います。
そのため、ネット上の掲示板や、コメント欄が、不平不満のはけ口になっていたことがあったのではないでしょうか。まったくこれは、井戸端会議と同じで、「当事者とは関係ない」「無責任」な発言と言っていいレベルのものです。
掲示板が下火になると、今度は多くの人がスマホを持つようになり、SNSで発信するようになりました。
ネット社会が「仮想(バーチャル)」と呼ばれた時代は、もう今では過去の話です。
ネット社会は、現実社会を鏡のようにそのまま、あるいは時には増幅して映すことがあります。その鏡も、加速度的に現実社会と融合し始めています。
ネット社会には、現実社会と同じように、人がいて、つながりがあります。匿名性は急速に失われつつあります。
言われた(書かれた)当事者には、SNSでの発言は、現実の発言そのものとして深く重く響いています。
未来のネット社会
未来のインターネットは、もっともっと、お互いが高め合えるメディアとして成長していくことは確かです。そうなるように努力している人がたくさんいることが希望です。
そのことを意識している、していないに関わらず、今、ネットに触れている人は、皆等しく、21世紀のパイオニアの一人です。
その自覚を一人ひとりが持つ時代になりました。
これまで、世界人類は少しずつですが、時代とともに成長してきました。
社会としての成熟度が高い、日本社会が、インターネットの新時代でも、成熟できるかどうかが問われているような気がします。
